ーーーー幸太、現在


それから恵は
ゆっくり話してくれた
俺とあった坂の日のことから

思い出をなぞるかのように
時には悲しそうに
時には楽しそうに

懐かしみながら話してくれた


「...霊感ある事言えなくてごめんなさい」



「いや、平気だよ。気にしてないよ。」


別に怒る事ではないよ

恵だってきっと辛かったんだし


「それより。コイツのこと見えるって事だよね?」


俺がヨキのことを指さす


「うん」


「どんなふうに見えるのって聞いて」



そうヨキは手を合わせてきた




「...どんなふうに見えるの?」



そう聞くと恵はヨキの方をしばらく見つめた



「人の黒いシルエット」



「え?顔とかは見えないってこと??」



「うん。え、幸太君からは見えるの?というか幸太君にも霊感があるの??」


「見えるよ。...まあ、最近見えるようになったって感じ」

そう適当に俺はごまかした