さわってみる?

なぜか立場が逆転してる……なぜか立場が……

耐えきれなくなって、私は彼の腕の中から逃げ出した。

廊下を走って、階段を跳んで、また廊下を走って、トイレに逃げ込んで、鍵までかけた。

すごく息があがって、苦しい。

胸がバクバクして、血が、頭にガンガン流れてる感じ。

もう、なんなんだろ、これ……

あのバカ……

私の気持ちも知らないで、あんな……




高校生のある日、私はそして、夕暮れまでトイレから出られなかったのだった。