変な2人組だけれど、助けてもらった。

命の恩人。

「どう?」

黙っているワタルに尋ねると、

「……うん」

ひと言返ってきた。

“ああ”じゃない。

「うまいってことだよ」

テツが言った。

「ぷっ…」

それがおかしくて、思わず笑っていた。

「通訳さんみたいっ」

「俺ってワタルのマネージャーだもんな」

「あははっ」


恐怖で冷え切った心が少しずつ、温まっていくのを感じた。

同時に、何か新しいことが始まりそうな、そんな予感がしたんだ。