Bitter syrup~ほろ苦くて甘い君~


うちの学校の玄関は、

透明のガラスでできている。


そのせいで
まるで本当に、雨をよけて立っているように見えた。




『……』




息をするのを忘れていた。

一瞬で魅了されたんだと思う。


整った顔だから?

違う、それも間違いじゃないけど



──今にも、壊れてしまいそうな目をしてたから。




「…なに?」




あたしの視線に気付いた彼は

少しうつむいたまま、無愛想な言葉を返した。




『……あ、いや全然!なんでも!』




少し言葉が遅れてしまったのは


ひとつ、とんでもないことに気付いてしまったから。




「…あそ」




…この人


泣いてた……?