高校生になって初めての夏休み。



部活もバイトもしていない私に、
夏休み終わるまでにやらないといけない事と言えば宿題くらいで。


文化祭がある年ならば、夏休みから学校で準備をするらしいが、
今年は文化祭が無く変わりに体育祭が開催されるそうなので、
準備をする為に学校へ…なんて事もない。



2・3年生になれば希望で夏期講習もあるらしいけど、
1年には補習しかなく、成績が悪くない私は補習にお呼ばれする事も無かった。


因みに一番仲の良い友達は盛んな運動部に所属しているので、毎日部活だし合宿もあるしで中々会えない。



暇だし、面倒くさい宿題を早めに終わらせようと意気込んだ私は、
机に向かって出された課題を眺めた。



「…これ資料探さないとダメじゃん…」


そう言えば古典の先生が『学校の図書館と市営図書館に資料が~』とか言っていた気がする…

私はため息を吐いて立ち上がった。








家からは学校へ行くよりも市営図書館に行く方が近い。

それなので、ノートや教科書・筆記用具などをバッグに詰めて、
炎天下の中、市営図書館に歩いて行った。