「コーヒー二つですね。少々お待ちください」 注文を伝えにカウンターへ行こうとしたら、新太先輩に腕を捕まれた。 「少しだけ話そ?」 小首を傾げ、ニコッと笑った。 まあ、食堂の時以来だし、いいかな……? 「じゃあ、少しだけ」 「ところで立夏ちゃんさぁ、メイドさんなんだし“おかえりなさいませ、ご主人様♪”とか言ってくれないのー?」 何を言い出すんですか飯村先輩は。 やっぱりこの先輩は苦手だ。