「ごめんね?柑奈寝てるの」


「いえ、俺はプリント届けに来ただけなんで」


「そんなこと言って、粕谷くん柑奈の隣の席の子しょ?」


「え?」


何故浅野のお母さんが知ってるのだろう。


俺言ったっけ?


「柑奈がよく話してくれるのよ。隣の忘れ物野郎がとか言って」


浅野のお母さんが優しく笑う。


忘れ物野郎ってあいつ…


でもその前に俺のことを浅野が家族に話してるのがすごく気になった。


何の話をしてるのだろう。


「粕谷くんま大変ね。あの子鈍感だから」


「いえ、俺はそんな…」


「照れなくても大丈夫よ。あの子の顔ちらっと見ていってあげて」