翌日の夜、俺は浅川家を訪れた。

正直、メアリの言うことを信じたわけではないし、昨日の異様な男のことを思うと恐怖は拭い去れなかった。


しかし、行かないことには浅川の行方はわからないだろう。

この奇妙な入れ替わりの真相も。



九時過ぎに門の前でメアリと落ち合った。

靴を持って通されたのは、サンルームを抜けた先にある中庭だ。


「歩きながら話をしよう」


椰子やアロエが茂る中庭に立ち、メアリは言う。
どこを歩くというのだろう。

訝しく思う俺に手招きをし、メアリは中庭の隅にある納屋へ向かった。


裸電球の吊るされた納屋に入ると、薄暗がりの中、メアリが床のハッチのようなドアを引き起こしているのが見える。

中には白っぽい階段。
メアリが先に降り、俺は後に従った。