それから三日続けて、俺は浅川の家を訪ねた。

放課後、名簿を頼りにたどり着いた浅川家は、古い洋館だった。
建物すべてがひっそりと静まり返っていて、門扉のチャイムは電源が切られている。


中に何度か声をかけてみたが返事はない。

家は小高い丘にあり、隣家までは百メートル以上距離がある。
周辺の人に様子を聞いても無駄に思われた。


徹底的に外部を拒む洋館に、俺は不安を募らせた。

やはり、浅川には何かがあったのだ。
そして、それを家族ぐるみで隠そうとしているのだ。


俺が訪問していることを知っているだろうに、学校でメアリはそ知らぬ顔をしていた。

一方で、俺たちは恋人同士だと随分冷やかされた。

これについてメアリは堂々としたもので、用事があれば平気で俺の近くへ寄ってきたし、俺に向かって余裕の笑顔を見せることもあった。



そうこうしているうちに週末がやってきた。
土曜の夜、俺はとうとう浅川家に忍び込む決意を固めた。