体を起こしてレオの側にある木に背を預けて立つ。



「っ!…あ、ありがと。」



レオを見ると雪のように白い顔をリンゴのように真っ赤にしていた。



何か可愛いなこいつ。



手を伸ばして頭をクシャクシャに撫でてやる。



初めは抵抗したが暫くすると大人しくなった。



「僕ね。明日からひとりぼっちなんだ。」



ぽつりとぽつりとレオが話し始めた。



「明日お兄ちゃんが寮に入るんだ。だから僕ひとりになるんだ。」



「お父さんやお母さんは?」



疑問に思ったことを聞く。



「パパとママは僕が3歳の時に死んじゃったんだって。だから僕にはお兄ちゃんしかいないの。」



それなのにレオの兄は寮に入るってのか。



まぁ別に他人の家に口出すつもりはないけどね。



どうかと思うよ。



こんな小さな弟をひとりにさせるなんて、さ…。



「お前はひとりぼっちなんかじゃないよ」