疑問形ではなく断定した言い方をする理事長。
「Cランクですよ。」
頑なとして否定する柚。
しかし次の言葉で柚の表情が変わることになった。
「お前、何者だ?まさか…世界政府特殊部隊の者か?」
「違いますよ。」
柚の発した声は普段よりも少し低く、その表情は氷のように冷たかった。
しかしすぐにいつもの表情に戻ると立ち上がり扉へ向かう。
「柚!!」
「あまり俺に関わらないでください。…危険ですから。」
最後の方は小さかったが理事長は何とかそれの声を拾った。
バタン
閉まりゆく扉を見ながら理事長は溜息をひとつついて先ほど見た柚の表情を思い浮かべる。
「危険…か。」
扉から視線を窓の外に移す。
春の柔らかな日差しに照らされた理事長の顔はどこか寂しく見えた。
「…銀。斎藤 柚について調べてくれ。」
「御意」
空は今日も透き通っていたー…
カメラside end
