カメラside



深い森の奥にそびえ立つ門の向こうは豊かな自然に囲まれたお金持ち学校



ー私立クロス魔法学園



純白の大きな校舎は建てられたばかりのように綺麗で静まり返っていた。






第一章 クロス魔法学園~3話~






その校舎の一角…理事長室でもまた重ぐるしい空気を漂わせながら静まり返っている。



「柚、昨日は大活躍だったらしいね〜」



呑気な口調とは裏腹に理事長の表情はあまりいいものではなかった。



しかしこの男…斎藤 柚はいつも通りの表情をしている。



「活躍なんてしてませんよ。」



「いやいや〜。柚の〈氷壁〉がなければ怪我人も出ただろうしね〜。大活躍だよ〜」



より空気が重くなり2人はお互いを見つめあったまま沈黙してしまった。



「…はぁ。こんな回りくどいことしないでハッキリ言えばいいじゃないですか。」


数分続いた沈黙を破ったのは柚で理事長は目を鋭くして口を開いた。



「そうだな。ではハッキリ言わせてもらうが、お前本当はCランクではないな?」