「ちょ…」


城島は驚愕した。
桜の包丁裁きに…


「桜…」
「お料理…練習中…なんです…」


泣きそうな桜の後ろに回る城島。そして、後ろから腕を延ばして、包丁を持つ桜の手にそっと自分の手を添える。

「まず、左手は猫の手。」

そういながら、城島は桜の左手を持ち上げると、きゅっと指を曲げるように耳元で話す。

「こ、こうですか?」
「そう!で、それから右手を…」

2人だけの料理レッスン。桜は、緊張から、心拍と体温が上がっていく。それを手から感じた城島は「大丈夫か?」と話すのだが…

「だ、大丈夫です。」
「…無理(笑)」

そういながら、城島は桜から包丁を取り上げた。

「今日はここまで(笑)風呂入っておいで。」

「…はい。」

ショボンとしてしまった桜に城島は「よくがんばりました。」といって頭を撫でた。