桜の後ろに周り、ほぼ同じ目線から包丁捌きを見つめる城島。慣れない手つきで少しずつ野菜を切る桜。その包丁捌きを見るたび、城島の心の中を不安と心配が渦巻いていく。


「ここはこうしないと。」


城島の手が桜の手の上に重なる。
その瞬間、桜の顔が少しずつ紅くなっていく。


「はい、手元に集中、集中!」


そんな桜にドキッとしながらも、包丁に気を集中させるために声を掛けた城島。そのときあることに気づく・・・


(あれ・・・ウサギパーカーの下・・・下着だけじゃん!しかも、なんか・・・俺の選んだやつじゃない!まさか、さっきの紙袋の中身はこの下着か、この下着なのか?)


桜の前で必死に冷静さを保つ城島。そのドキドキが背中を通じて桜の体にも響いてくる。


オーブンからもれるおいしそうな香りと、カチカチという音とともに“もどかしい時間”が過ぎていく・・・