「社長は、どうして“社長らしく”しないのですか?」


秘書の質問にミヤサカは「ジャ、アナタノ思ウ社長ッテ何デスカ?」と返す。


「もっとどっしりしていて、何事にも動じない・・・」


すると、ミヤサカはこう話し始めた・・・


「僕ハ、モット“フランク”デ、役職ヤ部署ヲ超エテ話シ合エル、ソンナ会社ニシタイデス。ダカラ、ソンナ会社ニスル為ニハ、マズ、上ノ人間ガ動カナイトダメナノデス。」


再びグラスのシャンパンに口をつけるミヤサカ。そんな彼の話を秘書は必死に聞いてまた質問をした。


「では、どうして城島部長のご家族や小島さん達に・・・」


ミヤサカは、グラスから口を離すと少し息を整え話し始める。


「城島には、パパもママもいないんだ。彼が大学に入るぐらいの時だったかな・・・旅行先で大きな事故に巻き込まれたらしい。それで、城島は大学に通いながらバイトを掛け持ちして・・・で、数年後にうちに入社してきたんだ。」



秘書は絶句。
しかし、その秘書の目を見てミヤサカは続きを話し始める。