ゲストが、二つのサプライズに夢中になっている間に進は、あやめの近くまで移動していたのである。

そして、あやめの肩を叩いた。


あやめは後ろを振り返ったが、暗くてだれか判らない。そして、照明が戻った時には、知らない人ばかりになっていた…



(誰なのかしら…)



そう思いながら、自分の皿に目をやると、そこには取った覚えのないフォンダンショコラと一枚のコースター。そこに書かれていたのは「ごめん。」の一言と、携帯の番号。あやめは、ごめんの一言で誰のメッセージなのかが解った。そして、辺りを見回す。



(あっ…)



チァペルの前
城島から桜へのプロポーズを見つめる進の姿がそこにあった。誰にも気付かれない様に、ゆっくりチャペルへと向かうあやめ。その姿を小中とジェインは、ばれない様に見守っていた。