でも、私はアタックを忘れなかった。


たまに「おふたりさま」を提案して、一緒にご飯を食べたりした。


「おひとりさま、寂しいから、おふたりさまでご飯食べましょうよー」


「クスッ。いいよ、行こう」


幹也先輩は優しく笑って、寂しくて哀れな後輩のために食事につき合ってくれた。


一週間に一回、私たちは「おふたりさま」を実行していた。

その「おふたりさま」は気付くと半年も続いていた。



「ねえ、幹也先輩にもう一度告ったら?今ならいけるんじゃないの?」


同じサークルで一番仲の良い桃香に言われた。


「んー、でもね、振られて、一緒にご飯食べれなくなったら嫌だし」


幹也先輩と仲良くなればなるほど、私は臆病になっていってた。