Witch and Vampire ―恋物語―

案の定そいつは引っ掛かった。

「ひゃぁ!」

そのまま、そいつは湯の中へ落っこちた。

俺は攻撃体制にはいる。

そこにいたのは、

「ソラ!?」

「ちょっと、なにするんだ。」

若干むすっとした顔でやってきたのは、やはりソラだった。

「なんでいるんだ?」

「なんか、誰もいなかったから。」

「で、なんで風呂に入ろうと思う。」

「人影が見えて。声をかけても返事してくれなかったから。」

「わざわざ着替えてか。」

俺は前にいるソラを見る。

「そ、それとこれとは話が別だ!」

頭から入ったのか、髪がしっとりと濡れて、服がペッタリと肌についているため、その。

俺は早めに上がろうと思った。

「その、さっきはごめんなさい。迷惑、かけた。」

「こっちこそ悪かった。なんか、イライラしてたんだ。」

「イライラ?そういえばタミルが言ってたぞ。イライラには種類があるんだって。」

「ふーん。」

「解消法は人それぞれだって言ってたな。ちなみに私は香りを嗅ぐと治まるんだ。」

「どんなだ?」

「えっと、お花とか、パンとか。あと、ハンカチもいい匂いだな。」

「ハンカチ?」

「だって、ナイトさんの匂いがするだろ?」

俺は少し顔が暑くなるのを感じ、ソラから目を逸らした。

ソラいわく、安心するらしい。