Witch and Vampire ―恋物語―


そのあとは大変だった。

結局ソラは疲れていたのか寝てしまい、事情をなにも知らない召し使いたちは大騒ぎ。

ソラをベッドに寝かせたあとは、質問攻めにあってしまった。

「あ、主!?なにしたんですか!!」

「なにもしていない。」

「主、女の涙は怖いですよ。」

「何がだ。」

「あ、主。さすがに順番というものが、ありましてですね。」

俺はどんだけ信用されていないんだ。

少し悲しく思った。

「主。食事でございます。」

「あぁ。」

唯一テラだけが、なにも質問せずに、食事を出してくれた。

「主。食前にしますか。食後にしますか。」

「食前にしてくれ。」

「承知いたしました。」

ソラと食事をするようになってから変わったことがある。

血の飲み方だ。

以前は直接飲んでいたが、ソラが以前異様に怖がっていたので、コップに入れるものに変えた。

新鮮さには欠けるが、俺は元々血が好きではないし。

まぁ。飲めばいいのだ。飲めば。

「主。ソラ様はどういたしますか。」

「寝かせておけ。」

「御意。」

ソラはきっとストレスがあったのだろう。

俺は時計をちらりと見る。

「現在八の刻でございます。」

「風呂の準備をしといてくれ。」

「御意。」