Witch and Vampire ―恋物語―


「はぁ。俺はソラを殺さないし、血も吸わないから大丈夫だ。行こう。」

ソラは歯を食い縛り、首を横に振る。

「ヤラ、レル、イヤ、ダ。」

片言で話すソラ。

「ヤラレル?」

「シニ、タクナ、イ。」

俺は大きくため息をつくと、そのままソラを抱き締めた。

強ばり、震えていたソラの体も、落ち着いてきた。

「大丈夫だ。お前の味方だ。喰ったりしないよ。」

「・・・うん。」

ソラがそういうまで約五分かかった。

腰が抜けたソラをおぶって、俺は歩く。

「ナイトさん、ごめん、なさい。」

「怖い思いさせて悪かったな。」

「ごめんな、さい・・・。」

また泣き出すソラ。

ぐすっぐすっという音が聞こえる。

「大丈夫だ。」

背中がぎゅっと握られたので、後ろを向くと、ソラは恥ずかしがるように俺の肩に顔を押し付けた。

「あとで、聞いてやるから。全部。」

「うん。」

ぐすっと言いながら、ソラは静かに頷いた。