Witch and Vampire ―恋物語―


俺がそんなことを考えていると、ソラが不安げにこちらを見ていた。

「ナイトさん、怒ってるのか?」

「怒ってない。」

「で、でも、こっち見てくれない。」

「そんなことない。」

「で、でも、目、合わせてくれない。」

俺がイライラしながらソラの方を向くと、彼女は目に涙を溜めていた。

しかも、その時の俺の表情も駄目だった。

「ひっ!!」

ソラがそのままずるずると後退りをする。

「い、いや、来ないで!」

「ソラ?」

「い、いや!」

首をふるふると横に振る。

その表情は最初に会ったときと同じように恐怖に歪んでいた。

「ソラ。」

「ぅぐっ!」

なにかを飲み込んだかのように喉をならす。

そのまま尻餅をついてしまった。

「ソラ。行くぞ。」

「い、いぁ・・・。」

目からぼろぼろと涙を流すソラ。

俺はしゃがみ、ソラの顔を見つめる。

「・・・ぁ・・・。」

「帰ろう。ソラ。」

手を差し出す。

「ぃっ・・・。」

怯えたように後退りする。