「で、それはどうしたんだ。」
心を落ち着かせるようにソラは息を吸った。
「受け取れない。そうちゃんと言ったよ。」
「・・・どうして?」
「花言葉をもう知っていたんだ。だから、断った。」
「・・・好きな人でも、いるのか。」
「スキナヒト?」
「結婚したい人だ。」
「ケッコン?」
俺は小さくため息をつくと、
「子どもを一緒につくりたい人だ。」
「・・・へぁあああ・・・。」
顔を真っ赤にし、俺から背けるソラ。
子作りはわかるのか。
「そそそ、そういう人は、が、学校には、い、いない。」
「学校には、か。」
「えっと、そういう訳じゃなくて、その、いない!いないんだ!」
首をたてにブンブンと振る。
「別に構わない。」
俺は横を向きながら歩く。
空が薄暗くなっていき、星が輝き始めていた。
「もうすぐ雪が降るな。」
雪が降るのは新年になる前の三日間から新年から三日の六日間。
これをスノーウィークと俺らは言っている。
今は六時。
星が瞬くのが五時になった頃がスノーウィークだ。

