Witch and Vampire ―恋物語―

「今日はどうしたんだ。唄なんか歌って。」

俺だって聞いたことなかったのに。

そう小さく呟くと、

「今日はな、嬉しいことがあったんだ!」

そう言って胸元を見せる。

俺が言うとあれだが、結構ソラは胸がでかい。

なので、いくら着痩せするタイプとはいえ、胸を張られると、その、強調されるというかだな、その。

そんなことを思っていると、彼女の制服にバッチが3つになっていることに気がついた。

「また満点とったのか?」

「あぁ!」

どうやら二回連続で満点をとったらしい。

ソラが二年生になってから、もう一週間も過ぎていたのか。

「すごいじゃないか。」

「それでな、ディランがすごく悔しがってくれたんだ。」

ディランという人は、生徒会長で、とても頭がいいらしい。

こちらも学長と同じく気にかけてくれる人の一人だ。

「この間は忙しくって豪華な食事しかできなかったからな。今度はちゃんと買い物に行こうか。」

「え、いいよ。買うものなんて何もないし。」

「俺があるんだ。」

「え、そうなのか?」

だが、そんな会話もソラは楽しそうだ。

「これで三年生だ。」

「何かあるのか?」

「初日に助けてくれた人が三年生だったんだ。名前も知らなかったから、もう一度会いたくて。」

「会えるといいな。」

「あぁ!」