テラは学校に向かって歩いていた。
時計を確認する。
そろそろ午後4時。
学校での授業が終わる時間だ。
テラは少し速度をあげた。
早くしないと遅れてしまう。
彼女は少し不安なことがあった。
もちろん、ソラのことだ。
言葉遣いが女性らしくないこと。
人見知りなところ。
上手く学校に馴染めるだろうか。
魔力が高いことがばれ、なにか問題にまき込まれていたりしないか。
そして、彼女がすぐに人の言葉を信じること、異様に理解力が高いことも、不安要素になっていた。
頭もいい。顔もいい。
自分が言うのはなんだが、安心したように笑う彼女の顔が結構テラは好きだった。
その裏にある、重たい記憶があることもわかっていた。
私は心配性だな、と小さく笑う。
4時の鐘が鳴ったとき、ちょうど校門の前に着いた。
待つこと数分。
笑顔で誰かに手を振るソラを見つけた。
あぁ、よかった。上手く馴染めたようだ。
そう安心していると、ソラがこちらに気づいた。
「テラ!」
「お帰りなさいませ。」
軽く微笑むテラに、ソラは安心したような笑顔を向けた。
「ただいま、だな。」

