Witch and Vampire ―恋物語―

「今年は開校五年目。編入生はキミが初めてでね。うっかりしてたよ。」

そうへらへら笑うルークさんにため息をつくディラン。

「なので、飛び級制度はそのままに。新しいルールを付け足したんですよね。」

「そうだよ。
飛び級するポイントは二つ。
一つは連続で五回学年一位になること。
二つ目は全教科満点をとること。」

「教科は絶対科目の数学、言語、歴史。選択科目を四つ。計七科目のテストを行う。」

「これが難しくてね。今まで全教科満点をとったのは二人。前生徒会長と四年のキラ・ドルガーだけなんだ。」

ディランがまだなのは驚きだった。

「自分が満点をとっていないのは言語だけだ。他はとれている。」

とディランが答える。

どうやら顔に思ったことが出ていたらしかった。

「この間のはあと二点だったよね?頑張ってね。」

「ありがとうございます。」

さすが秀才なだけある。

テストは相当難しいようだ。

と、ここで疑問に思う。

「確か生徒会長は一番テストの点数が高く、信頼が厚い生徒、でしたよね?」

「ドルガーのことか。やつは相当、そのなんだ。要注意人物なんだ。」

あの件においてな。と小さくディランは付け足した。

「一部の生徒にはかなり支持されたんだけどね。」

つまり、信頼という点においては、ディランの方が勝っていた、ということなのだろう。