そのあと、先ほど説明できなかった実験などを行う部屋や、一万を超える文書が保管してある建物等々の説明。
そして、一年間の行事の説明。
「時期になったら詳しく説明されると思うよ。」
地域の住民などに向けて行う学祭や、運動の技能を競う大会や、学校内で一泊するといったようなものまであった。
「言いそびれてたけど、授業が始まる前にホームルームというものがあってね、一年の始めに決められたクラスで行うんだ。さっき言った行事とかもそのクラスでやるから覚えといて。」
「飛び級で学年が上がった生徒も適当にクラスに上がったときに、入れられる。」
ソラは、なるほど、と頷く。
その時、ルークさんがあ!と声をあげた。
ディランが首をかしげる。
「どうかしましたか?」
すると、頭をポリポリと掻きながら、
「さっき言い忘れちゃったことがあったよ。飛び級のことなんだけど、制度が少し変わったんだ。」
すると、ディランはそのことですか。と言い、ソラの方を向いた。
「先ほども言ったが、飛び級で学年が上がった生徒もクラスに分けられる。しかし、そうなるとクラスの人がどんどん入れ替わることになる。」
「毎週やるテストで学年一位をとった生徒がどんどん上の学年に行っちゃうことも問題なんだ。」
つまり、こういうことらしい。
最高学年になった場合、卒業するまでその学年のままだ。
なので、下の学年が異様に少なく、上の学年がかなりの人数になってしまった、ということが問題になってしまった。
しかも、学年が上がるにつれて学習の内容も難しくなってくる。
そのせいで留年する生徒が続出したらしい。
「もともと飛び級制度っていうのは頭がいい生徒がその生徒にあった学習レベルにしてあげるために学年をあげることが目的だったはずだったんだ。」
なので、開校してから二年目でこの制度を廃止したらしい。

