Witch and Vampire ―恋物語―

ルークも買ったパンにかぶりつきながら、

「ところで、君はこのあと暇かい?」

ディランは一度食べていたサンドイッチを戻すと、

「そうですね。自分の受けている授業はもう終わりましたし。」

そこで、ソラはあることに気づいた。

「確かこの学校は全部で6時間の授業で、全員の生徒が同じだったと思うのですが。」

「彼はもう学習する必要がないからね。どんなものをいつ学ぶかはもう、任せているんだ。一応1日午前中の授業には必ず出てもらっているんだけどね。」

「そうなのですか。」

ソラは口のなかにサンドイッチを詰め込むと、お茶を飲んだ。

「ふぅ。」

手の甲で口を拭うともうひとつのサンドイッチに手をつけた。

「ソラ君。そのサンドイッチ、一口もらえないかい?」

突然ルークから言われた。

「えっと。」

ソラは少し困ったようにサンドイッチのほうを見た。

「いや、君がとても美味しそうに食べるものだから。テラが作ってくれたのかい?」

「はい。とっても美味しいんです。」

そう言って、ソラはサンドイッチを差し出した。

ディランにはなぜ先程ソラが躊躇ったのか理解出来なかった。

「あ、くれるの?じゃ、もらうね。」

大きく口を開けたルークは、はむっと噛みついた。

口の端にソースをつけたルークは幸せそうにもぐもぐと口を動かしていた。