Witch and Vampire ―恋物語―

すると、チョンと肩をつつかれる。

「すみません、入りたいのですが。」

「あ、あぁ!す、すみません・・・。」

ソラより少し身長が高い男子二人組だった。

だが二人ともソラがドアの前から退いても中に入ろうとしない。

「えっと、あの・・・」

二人はソラの顔をまじまじと見る。

「君、かわいいよね。」

「なかなかいないよ。」

「ていうか、新しく来た子?」

「ねぇ、一緒にご飯食べない?」

「え、えっと・・・」

ソラが戸惑っていると、後ろから誰かが腰に手をまわし、ぐっと引き寄せた。

「ごめんね、この子僕の連れなんだ。」

「が、学長!」

「すみません。あなたが美しかったので、つい・・・。」

「う、美しい!?」

珍しいや気味が悪いなどと言われたことはあったが、美しいや可愛いと言われたことは一度もなかった。

男子生徒はソラに笑いかけて、そのまま建物の中に入っていった。