授業が終わり、ルークと一緒に前に行く。
「あら、いらしてたんですか。」
おばさんがルークに向かってにかっと笑った。
「うっ・・・。」
「どうしたの?」
「い、いえ・・・。」
臭いがきついなんて言えるわけがない。
ソラは、鼻をつまみたいのを我慢しながら二人の会話を聞いていた。
「今日はどうしたんですか?」
「新しい生徒に学校の説明をしてたんですよ。」
「そうですか。」
そう言ってこっちを向くおばさん。
「お私はメイラーですわ。この授業の担当をしておりますわ。」
「は、はぁ。」
この授業をとるきは毛頭ないから覚える必要はなさそうだ。
そのとき、部屋の入り口のほうで年齢がかなり違う男の子たちがどつきあいながら笑っていた。
「驚きましたか?」
ソラはにこやかに笑うルークのほうを見た。
「ここは飛び級制度があるように、実力がレベルに満たしていれば年齢は関係ないのです。」
だが、やはり年齢の基準はあるらしい。
年齢が高い子、低い子のまわりには友人らしき人が見あたらない。
「気づいたようですね。
いくら自由に授業を取るといっても実力がやはりでます。
この授業のレベルは一番下なので結果的に孤立してしまうのです。」
そのとき、ガンッと音がした。
メイラーが勢いよくドアを開けた。
「なにやってるの!」
バタバタという音がして、メイラーが頭をおさえながら戻ってきた。
「どうしたんですか?」
「・・・はぁ。いじめですよ。
生徒が一人押されましてね。」
「いじめ、ですか。」
「やっぱり学力の差ですかね。」
「気をつけてはいるのですが・・・。」
「対策をしなきゃいけませんね・・・。」
そのまま二人が話しだしてしまったのでソラはこっそりと教室を抜け出した。

