「大丈夫だよ。僕の名前はクラ。」

そしてクラは俺の方を指すと、

「この人はナイト。俺の知り合いだ。」

「ご主人様だ。阿呆。」

「うるさい。どうでもいいし。」

そういって、俺のことを軽く睨む。

でも、そのままじゃ話が進まないと感じたクラは、小さくため息をつくと、

「で、お前さんを助けた張本人だ。」

もう説明は終わったのか、その場から少し離れるクラ。

俺は小さくため息をつくと、

「で、ヴァント家の主だ。」

そういったとき、目の前の女の目に怯えの色がうかんだような気がした。