Witch and Vampire ―恋物語―

数分後、テラが本を持って戻って来た。

「ん。ありがとう。」

テラは一冊俺に渡すと、テーブルの上に置いた。

題名は読めないが、どうやら呪いについての本らしい。

陽に大分当たったせいか、ページがかなり焼けていたが、中身に問題はなかった。

俺は近くの本がよく見えないため、眼鏡をかけた。

数ページ読み進めたところで、テラがまだ部屋にいることに気づいた。

「どうかしたか?」

すると、テラが俺の隣に置いてある椅子に座った。

「主は、あの後のことを知りたいとはお思いになりませんか。」

あ。と声が出た。

自分のことで頭が一杯ですっかり忘れていた。

ソラのことも、起きた時に居た青年のことも。

「時間もありますし、私の仕事も一通り終わりました。ソラ様は大丈夫ですよ。今日から学校へ登校しております。」

「そうか。よかった。」

・・・ん?

今日から、だと?

「襲撃されてからどのくらいだ。」

「四日です。」

「四日!?」

てっきり一日しか経っていないものだと思っていた。

「一から説明いたします。」

テラは静かに話し始めた。