そこはひどい有り様だった。
爆発音を聞きつけていち早く来たのであろう俺の部下達がそこらじゅうに横たわっていた。
「おい、何があったんだ。」
近くにいた一人に聞くと、
「て、敵です・・・。不意を、つかれました。」
その様子から、相当強かったのが分かる。
血なども出ていないので、魔力を使ったのだろう。
「あなたは強い人ですかー?」
「!?」
突然声がしたかと思うと、薙ぎ払われた。
俺は空中で体制を整えると、停止の魔法をかけた。
ズサー
かなり滑ってから止まった。
「あらあら。強い人ですかー。」
そう言うと、また突っ込んできた。
俺は攻撃を腕で受けると、足払いをした。
「あら。」
俺はやつが転ぶのを見逃しはしなかった。
右側に転ぶ奴の左の脇腹を下に向かって押した。
そのまま背中を踏む。
「うぐ!」
「お前は誰だ。何が目的だ。」
「私の名前はカーディン。バルデン様の部下ですよ。」
「バルデン、だと?」
昔本で読んだ悪魔の長の名前だった。
「ええ。強い者から魔力を奪ってこいとね。」
くけくけ、と笑うカーディン。
「それが襲うのと何の関係があるんだ。」
「くけ。強い者を潰して何が悪いのですかー?」
ニヤニヤと笑うカーディン。
「俺の部下達を、なんだと思ってんだ!」
俺はカーディンに向かって魔力を、放出したが、奴の方が速かった。
俺の足の下からするりと逃げると、距離をとった。
「もう、汚れてしまったではないですかー。」
緑の目に黄色で長い髪。
服は白いスーツだった。
服をぱんぱんと払うカーディン。

