―小3 秋

その日、俺、佐藤拓海のいる3-2に、転入生がやってきた。

「一条海です。よろしくお願いします」

とびきりの笑顔で堂々と自己紹介をした海。


一番前の席でその自己紹介を聞いていた俺は、

なぜかその子が不思議に感じた。


たぶん、

初めてみんなと顔を合わせたはずなのに、

海があまりにも堂々していて、しかも笑顔で話していたからだと思う。


俺は海のことを、

「かっこいい…」なんて思ってしまったほどだった。