那月先輩には負けない。 悪いけど。 今までの練習とは違う。 目的を持って挑む私に敵う奴なんていないーーーーー かつて、天才子役と呼ばれ一世風靡を起こした私の本気に 客席のみんな、全員が魅せられればいい。 出だしからオーラを出す。 いつもは少し抑えていたオーラ。 これだけで舞台の華やかさが全然違う。 ソロの歌も那月先輩とのデュエットの歌も 私が飲み込む、客席全体を。 私に魅せられさせる。 主役は那月先輩。 だけど、 みんなが見るのはこの私ーーーー