ゆびきり

暗い世間でしか女を知らない。



むしろ、人をとあまり関わらない詠士にとって、彼女の存在はとても新鮮で光りのような存在だった。



恋心をしらない詠士の心の中に、言葉にできない意味の解らない気持ちが存在した。



でも、それが恋愛だと知るのはまだ先のことだ。



「詠士も詩かいてみれば?いいの書きそうじゃん」


「書いてるよ。売ったりしないけど…ガキみてぇのばっかだから人にみせねぇけどな」



「えぇ〜みてみたい!絶対バカにしないから見せてよ」


詠士は梨由と龍二の才能をしっている。


だから、自分の詩をみせることに恥を感じていた。