ゆびきり

そんな中、詠士と真斗が一緒にあるいていたとき、今の詠士がいる駅の場所に龍二という青年がいた。



茶化すように彼に近づき、詩を見た。


「いいお兄さんがなにかいてんの?」


しかし、龍二は何も言わなかった。


龍二ははりつめた、冷たい雰囲気で無言で座っていた。



二人は、ただならぬ彼の存在感に圧倒され、茶化すのをやめ、なんとなく真剣に詩に目をむけた。


「マジでさ、この男スゲー奴だって思ったんだ。言葉なんかに感情動かされることなんて今までなかった」


そういいながら、再び話しを続けた。