ゆびきり

「おじゃまします」



私は緊張しながら先に中に入り、お茶の用意をしはじめた。


「適当に座ってて」



詠士はさりげなく周りを見渡しながらソファーに座った。



「綺麗な部屋じゃん。日和って感じだね」


どういう意味だろう?


いい意味かな?


「ありがとう。はい、暖かいお茶いれてきたよ」


私もお茶を持って、詠士の隣に座った。


「サンキュー」


そういえば、部屋に男いれるなんて生まれて初めてだ。



緊張するけど、なんか詠士といると心地いい。



詠士はどうおもってるのかな?


詠士は座りながら部屋の中をちらちらみていた。


「ミサのCDだらけだな…」


苦笑して言った。


「あっ…う、うん。詩がね」


前みたいに梨由の詩が好きって堂々と言えなかった。