ゆびきり

それも、完璧詠士のほうが梨由を想う気持ちの大きさが伝わってくる。



「それでね…」



「まって」



私は続きを話そうとした梨由を止めた。自分でもどうしてかわからない。




でも、だんだんと梨由への嫉妬心が芽生え初めているのも事実だった。



「私ね、詠士が好きなの」



私の言葉に梨由が驚き、どこか傷ついた表情をしていた。



ごめんね、梨由…



でも私はこれ以上梨由の話しきいちゃったら、あなたを嫌いになってしまいそうだから。


嫌いになりたくないの…



「そっ…そうなんだ？日和なら大丈夫だよ！性格いいし、詠士もきっと日和に惚れちゃうと思うし」




梨由の偽り笑いが私の心をしめつけた。



無理に私と詠士との仲を祝福しようと無理をしているようにみえた。



「私の話しなんて、結局父と母がみとめた彼と結婚しちゃったっていうだけだから」



「そう、ごめんなさい。口だししちゃって」



うわ、私最低な女だ。



友達だと言った彼女を好きな人をとられたくないために、傷つけてしまった。