ゆびきり

梨由は顔を赤くしながら反論をした。



「はいはい。仲良しさんをみせびらかさなくていいから」



他の店人からも冷やかしの声がはいった。



「みんな意地悪なんだから~」



そういいながらも、みんなといるのは楽しかった。



その中で梨由と詠士の前にスーツをきた男がやってきた。



「あっ、いらっしゃっい。ゆっくりしてってください」



梨由はいつものように営業の喋り方で言った。



「いや、客じゃないんだ。梨由さん」




梨由はいつも本名では営業したことがなかった。



梨由はスーツの男をみつめると、見覚えがあった。



「お見合いの…」



一瞬で梨由の顔が凍りついた。



詠士は、男を睨み付けた。