ゆびきり

「詠士、人を好きになったことある？」



「はぁ？」



いきなりの問いに詠士は戸惑った。



「だって、龍二と詠士ってなんか似てるとこあるじゃん？で、どうなの？」



いつの間にか涙がとまった梨由、詠士は顔が赤くなった。



「だいたいなぁ、お前さっきまで泣いてたくせに、なんだよその転回は…」



「いいじゃん！なんか詠士顔赤いよ～実は今恋してる中ですか？」



茶化すように詠士を突きながら言った。



いつのまにか、普段の梨由に戻っていた。


それに気付き、詠士は優しい気持ちになれた。


そして、本当に梨由が好きなのだと自覚したんだ。