ゆびきり




龍二がさそった…?



詩織の言葉すら理解ができない。



何故、龍二が詩織に聴かせたいCDがあるの?



私はそんなこと一度も言われたことなんてない。



「へぇ、なんのCD?私にも聴かせてよ」



梨由は、無理矢理詩織と龍二の間に入り込んでいった。



「二回も聴く必要はない」


龍二は冷たくそういって、席を立った。


「龍二?」


詩織が言った。



「龍二なんて、出会ったばかりのあんたが気安くよぶんじゃないよ」



平然を装うのは、梨由にはもう出来なかった。



我慢できない。



龍二を私からとらないで…



そう、強く思う梨由は、初めて嫉妬で人を憎むことを覚えた。