ゆびきり

次の日も、いつも通り仕事へいく。



知らない人に笑顔で接する仕事、慣れてしまうと違和感もなくなるものだ。



「いらっしゃっいませ」



楽しそうな友達連れ


幸せそうな恋人達…。


いいなって、羨ましくて、笑顔がぎこちなくなってしまう。



知らない人に嫉妬するなんて、なんて心の狭くて見苦しいんだって、自分が嫌になる。



「いらっしゃっいませ」


私は、あまりお客様の顔は見ていなかった。

だから、相手から声かけられたときに誰だか気付くんだ。


「日和?」


しっかり声の主をみつめてみると、私は目を丸くした。



「梨…由?」



私は一瞬動きが止まってしまたた。