ゆびきり

ある日、梨由は涙ぐみながらポエムに入って来た。



「どうした?」



詠士が心配そうに聞くと、梨由は涙をながしながら笑顔になり、鍵を見せた。



「龍二が…これから自由に家来て良いってくれたの…嬉しくて」



みんなは驚き、ただ本当に嬉しそうな梨由を見つめていた。



「よ、よかったじゃない。あの龍二が鍵渡すなんて」


「やっぱ、お前はなんか違うな」



倫子と真斗は、梨由の努力で龍二が変わったのだと、褒めていた。

しかし、詠士だけ、嬉しそうな梨由を見つめ、複雑な想いが増していく。