昨日のこに会えた。
歌が聞ける!!


そう思ったらすごく嬉しくなって、思わず未央の細い肩をつかんだ。

「俺昨日それ聞いてたんだけど、何かすげー感動した!超声キレーで、色んな感情がわきあがってきて、今まで聞いたことない感じで・・・・とにかくすげーよ!!あれ懐メロ!?一回だけでいいから、もっ回歌ってほしいんだけど!」

気がつくと、また俺は興奮して早口になってた。



あの声が
あの歌が
どうしても聞きたい。

あの感動が鳥肌が忘れられない。



あのときの気持ちが忘れられない。




つい強引に肩を揺さぶった。
一方的にまくしたてる俺に、未央は困惑してる。


やべっ。



慌てて手を離す。


「歌ってくんない?もう一回・・・」


未央の目をじっと見て頼んだ。

すると未央は顔を赤くさせ、俺から目をそらした。

目をぎゅっと閉じて、首を横に振る。



「頼むから・・・!」


それでも食い下がる俺に、未央は怯えた表情で

今度こそ逃げてしまった。