そうすれば、その対象は直に向く。僕は対象者にならなくて済む…だから。 こんなの最低の裏切りだ、と言われなくとも分かっていた。 分かっていたからこそ、自分自身の非業さが許せなかった。 「どうして葉も無視するの?」 ごめん、ごめん、と胸の中で謝りながら自分を守り続ける為に“無視”をした。 気がつくと、一度助けた筈の友人は教室の隅で一瞬だけ切なそうな顔をして、僕を見た。 そして、小さく笑った。 -あれが彼の笑顔を見た最後、だったろうか。