―なのに。どうしてだろう? どうして人生って、こうも上手くいかないんだろうね? 僕は元々社交的なタイプではなかったけど、それでも僕なりに努力して、学校では明るく振る舞っていた。友達も出来て「ああよかったなあ」なんて考えたりして。 普通に、普通に、日常を過ごしていた。 …けど、半年前のあの日。 歯車が狂いだした。 僕はクラスで苛められていた子を助けた。無視されて、いないものと見なされて。 名前は野宮直。