「 『僕、は』 -“生きていていいの?” 先に続く筈の言葉は、胸にしまい込んだ。どうせ、この声は誰にも届かないのだから。 「あのね、」 彼女は言うと僕の体からそっと離れ、静かに、優しく手を取る。 「葉君は、悪くないんだよ。何も、悪くなんてないの。…大丈夫、私がついてる。こんな会ったばかりの人を信じることは出来ないかもしれないけど、辛かったら泣けばいい。…泣きたいだけ泣いて、その後に少しだけ前を向けばいいの。」