『そんなに僕はひどい顔をしてましたか?』 「うん、してた。この世に絶望してるような顔をしてた。あとは、“助けて”って苦痛な叫びが聞こえないけど、私には聞こえた…から」 ふっと小さく笑った彼女はとても綺麗だ、と思った。 まるで水面に反射する光のように、眩しいけれど何処か幻想的で。 「そうだまだ名前も言ってなかったね」 普通は先に名乗るのにね?、と笑いながら彼女は言った。