「ありがとー、康野」 「…ん。いつものことだし…………じゃ、俺行くわ。菜々が帰ってきたらよろしく」 「あー、バイト?頑張ってね!前みたいにならないように……菜々は私がしっかり見てるから心配しないで」 少年はその言葉には答えずに、立ち去って行ってしまった。 -刹那の間訪れる沈黙。 彼が去り際に残したほんの少しの風が頬を撫でる。