「こっち来て」


彼女の声に誘導され顔を上げると、そこには恐らく同い年くらいの少年が立っていた。

くしゃくしゃの黒髪に、真っ黒な瞳。
身長は僕より10センチは高いだろう。

そして、何より謎の威圧感を彼は纏っていた。


「……こいつ、誰?」


「死んじゃいそうな顔してたから連れてきた。それだけ。」



「…そうじゃなくて。…名前とか、他にも色々あるだろ…」



「いーじゃんいーじゃん。そういう積もる話は中でするとして、
さ。…あ、そうそう康野、ノート持ってきてくれない?大きいやつね」